Rust ロギングライブラリ

Rustのロギングライブラリは、メモリ安全性とゼロコスト抽象化を実現しています。log、tracing、env_loggerなどは、コンパイル時の最適化、非同期処理対応、低オーバーヘッドを特徴とし、システムプログラミングに適しています。

主な特徴

  • 多様な出力レベル
  • 構造化ログ
  • 高性能
  • 多様な出力先
  • 豊富なエコシステム

代表的なライブラリ

  • Pino: 超高速JSONロギングライブラリ
  • Winston: 最も汎用性の高いロギングライブラリ
  • Bunyan: 構造化JSON中心のロギングライブラリ
  • Morgan: Express.js専用のHTTPロギングミドルウェア

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Rust ロギングライブラリ GitHub Star 比較
No名前GitHub Stars説明トレンドライセンスタイプ公式サイト
1log⭐ 2.4kRustコアチームによって保守される軽量ロギングファサード。実際のロギング実装を抽象化する単一APIを提供。error!、warn!、info!、debug!、trace!の5つのマクロでログレベルを管理。ライブラリ開発での標準的な選択肢。2025年でもRust生態系の基盤として不動の地位を維持。Rust Cookbookで最初に紹介されるクレートとして、新規Rust開発者の学習起点となっている。ライブラリ開発ではlogクレートのみにリンクすることが推奨される標準的な慣例。MIT/Apache-2.0Logging Facade公式
2env_logger-最もダウンロード数の多いRustロガー実装(4,100万ダウンロード)。環境変数による最小設定を特徴とし、RUST_LOG環境変数でログレベルを制御。シンプルで確実な動作により、多くのRustプロジェクトで採用されている。2025年でもRustロギングの事実上の標準として最高の市場シェアを維持。簡単な設定と確実な動作により、初学者から上級者まで幅広く使用。Rustエコシステムでの地位は盤石で、継続的な採用が期待される。MIT/Apache-2.0Environment Logger公式
3tracing-構造化・非同期ロギングとスパンベースの可観測性を提供する現代的なRustライブラリ。従来のロギングマクロ(info!、error!等)に加え、分散トレーシングとメトリクス収集に対応。マイクロサービス環境での監視に最適化。2025年マイクロサービスとクラウドネイティブ環境でのRust開発において急速に採用拡大。構造化ログと分散トレーシングの重要性増加により、本格的な本番システムでの選択肢として注目。可観測性を重視するモダンなRustプロジェクトでの標準的な選択肢となりつつある。MITTracing Framework公式
4slog-Rustにおける構造化・コンテキスト・拡張可能・組み合わせ可能なロギングライブラリ。標準logクレートのスーパーセットを意図して設計。組み合わせ(composition)がslogの強力な売りで、柔軟なロガー構築が可能。2025年でも高度なカスタマイズと構造化ログが必要なRustプロジェクトでの採用が継続。組み合わせ機能により複雑な要件にも対応できるため、エンタープライズ級のRustアプリケーションでの選択例が見られる。ただし、学習コストが高いため一般的な採用は限定的。MPL-2.0Composable Logger公式
5fern-機能豊富なRustロギングライブラリ。ログレベル設定、出力先の詳細なカスタマイズ、柔軟なフォーマット機能を提供。中規模から大規模Rustプロジェクトでの詳細なログ制御が必要な場面に適している。2025年でも機能の豊富さを求めるRustプロジェクトでの選択例が継続。env_loggerでは不足する高度な設定機能が必要な場合の代替選択肢として使用。ただし、tracingやslogの普及により、新規採用は減少傾向にある。MITConfigurable Logger公式
6log4rs-Java log4jをモデルにしたRustロギングクレート。オープンソースソフトウェアで最も展開されているJavaロギングパッケージの思想をRustに移植。logクレートとの互換性を保ち、既存パラダイムを維持しながら利用可能。2025年でもJava背景を持つRust開発者による選択例が存在。設定ファイルベースの管理を好む企業環境での採用が見られるが、現代的なRust開発慣例では他の選択肢が優先される傾向。メンテナンス性の観点で新規推奨度は低い。MIT/Apache-2.0Configuration-based Logger公式